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むか~しむかし、ある所にシンデレラという薄幸な少女がおりました。
シンデレラは3人の義姉と継母にいじめられながらも、健気に生きていました。
「フンッ!フンッ!フンッ!」
掛け声と共に雑巾が固く絞られていく。
「お姉さま、私が………」
継ぎ接ぎだらけの服を着た、線の細い美少女がおずおずと声をかける。
「あ~らシンデレラ、あなたの細腕では雑巾を絞るのに何時間かかるのかしら?」
見事に発達した上腕筋を見せつけながら答える義姉。
「ハッ!ハッ!ハッ!」
威勢のいい声と共に磨かれていく床。
「お姉さま、雑巾がけは私が………」
「あ~らシンデレラ、あなたの弱い足腰で雑巾がけを行えると?」
スカートをまくりシンデレラの3倍以上はある筋肉山盛りの足を誇示する少女。
ダン!ダン!ダン!。一定のタイミングで刻まれていく野菜。隣では大きな中華鍋が躍動し、中身を宙に舞わせている。
「お母さま、お姉さま、料理は私が………」
「あ~らシンデレラ、あなたの貧相な体力で料理が出来るのかしら?」
ボディービルダーのようなポーズを決め上半身の筋肉を見せつける継母と義姉。
「あなたが家事をやろうなんて千年早いのよ!引っ込んでなさい!」
「そうよ。家事は最高の鍛練よ。私達はお城での武闘会の準備に忙しいの。」
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