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シンデレラが振り返ると、そこには頭からローブを被った怪しい人が立っていた。
「私は人助けが趣味の、通りすがりの魔法使い。頭はアンパンでもカレーパンでもないからね。」
聞いてもいない事をベラベラ喋る魔法使い。怪しい事この上ない。
「お城の武闘会には出たいけど、この体だし。行っても的になるのがオチだわ。」
「心配いらないよ。この魔法使いに任せなさい。ルイデンシ・ニデス・ハエマオ!」
魔法使いが呪文を唱えると、シンデレラの体に異変が起きた。脂肪が筋肉へと変わり、ムキムキマッチョへと変貌したのだ。
「脂肪の97%を筋肉に変える魔法だよ。」
「凄い!でも、着ていくドレスもないの。」
「それもお任せ!カウヨミテッイギツ!」
呪文と共に薄っぺらい板に書かれたアパートが現れた。いわゆるカキワリという奴だ。
「さあ、このドアをくぐりなさい。早着替えのスペシャリストが待っているよ。」
先の魔法の事があるため、魔法使いを信じてドアをくぐるシンデレラ。
「こ、これは………」
10秒足らずで出てきたシンデレラは、特殊繊維で編まれたコンバットスーツに強化ガラスの軍用ブーツという出で立ちになっていた。
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