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「犬と猿が狙っている桃太郎さんのお尻を、私が奪ってしまえば良いのです。それで万事解決!」
「解決じゃねぇ~!」
結局、現状が好転するどころか、追っ手が増えた事により悪化してしまったのでした。
右・左・後と三方を囲まれた桃太郎は、前に進むしかありませんでした。
そして前方には、青い大きな水溜まり、海が見えてきました。
(くっ、海が見えてきたか。どうにかこいつらを巻かなければ。)
余計な考えをしていた桃太郎は、1つの事実を見落としていました。
海辺に来ると言うことは、足元が砂浜になるということです。
「うわっ!」
砂に足をとられた桃太郎は、盛大に転んでしまいました。当然、追っていた犬・猿・雉に囲まれてしまいます。
「ま、待ってくれ。話せばわかる!」
腕力で勝ち目の無い桃太郎は、何とか言葉で煙に巻こうとしました。
「それは不粋というもの。」
「言葉など…」
「体で語れば良い!」
三方から一斉に襲いかかる犬・猿・雉。
「アーーーーーッ!」
機動力を封じられた桃太郎に抵抗する術はなく、餌食となるのでした。
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