第1話 桃太郎

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明けて翌朝。 「桃太郎さん、起きて下さい!」 「朝ですよ!」 「鬼ヶ島に向かいましょう!」 毛並みも良く、肌がツヤツヤテカテカした2匹と1羽に起こされる桃太郎。 「も、もう少し寝かせてくれ。体がだるいし、痛みが…」 桃太郎さん、はっきりと言わなくてもどこが痛いか察しがつきます。まぁ、頑張って下さい! 「寝ているのなら、もう1度…」 「あっ、ズルいぞ犬!俺だって!」 「ならば私も!」 鵜の目鷹の目でチャンスを伺うお供達。どうやら桃太郎は、家を出ても油断は出来ないようです。 「起きます、起きました!」 途端に跳ね起きる桃太郎。昨夜はかなり痛かったようでした。 「「「チッ!」」」 悔しそうに舌打ちするお供。反対に桃太郎には安堵の表情が浮かんでいました。 「さて、どうやって鬼ヶ島に渡るかだ。」 鬼ヶ島に行くには、瀬戸内海を渡らねばなりません。 「「泳ぐ!」」 「私は飛びます。」 流石は野性動物。ワイルドな方々です。しかし、桃太郎は人間。川と間違えられた瀬戸内海であっても、泳いで渡るのは自殺行為です。
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