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明けて翌朝。
「桃太郎さん、起きて下さい!」
「朝ですよ!」
「鬼ヶ島に向かいましょう!」
毛並みも良く、肌がツヤツヤテカテカした2匹と1羽に起こされる桃太郎。
「も、もう少し寝かせてくれ。体がだるいし、痛みが…」
桃太郎さん、はっきりと言わなくてもどこが痛いか察しがつきます。まぁ、頑張って下さい!
「寝ているのなら、もう1度…」
「あっ、ズルいぞ犬!俺だって!」
「ならば私も!」
鵜の目鷹の目でチャンスを伺うお供達。どうやら桃太郎は、家を出ても油断は出来ないようです。
「起きます、起きました!」
途端に跳ね起きる桃太郎。昨夜はかなり痛かったようでした。
「「「チッ!」」」
悔しそうに舌打ちするお供。反対に桃太郎には安堵の表情が浮かんでいました。
「さて、どうやって鬼ヶ島に渡るかだ。」
鬼ヶ島に行くには、瀬戸内海を渡らねばなりません。
「「泳ぐ!」」
「私は飛びます。」
流石は野性動物。ワイルドな方々です。しかし、桃太郎は人間。川と間違えられた瀬戸内海であっても、泳いで渡るのは自殺行為です。
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