『雨の降る街』

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「大丈夫、大丈夫」そう笑顔を向けて少女は消えた。 まるで雨の降る世界に溶け込む様に、消えた。 夢を見ていたのだろうか。白昼夢。けれど、私の左手には、 手の温もりと、少女の傘が残っていた。 終わった世界には実態を消すことのできる人間がいるのか、 そんなことを思った。 しばらくして、雨が止んだ。
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