『雨の降る街』

8/9
前へ
/47ページ
次へ
街に太陽が昇って、眩いばかりに光が差して、街の影を強くした。 すると、雨宿りをしていた建物の影から、小柄な影がひょっこりと飛び出して、 こちらを向いてお辞儀をしたような動作をして、遠く、遠くかけていった。 くすくす、とそんな笑い声がしたような気がした。 私は左手で強く頬をつねって、その痛みを実感した。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加