【心器狩り】

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 縦横無尽に飛び回り討ち果たす。背中に広げた翼の消費、魔力残量を気にせず攻めるシエナに敵はない。  舞い踊るような戦いに圧倒される。助太刀しようなんて考えは浮かばないし、必要もない。  ただただその光景に目を奪われる。  ああ、やっぱり── 「お強いですわね……」  オレ思考を引き継ぐように、零れ落ちた想いの欠片。  嫉妬か、諦観か、憧憬か。そこに込められた想いはなんだったのか。  燃え立つ赤に照らされた表情からは、読み取ることができなかった。
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