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魔法学園の制服を着た二人がガヤガヤ騒いでる横で、浴衣姿がコロッケの大食いに励む。オレが王冠装備なことも含め、割と変な光景だとは思うんだけど、
「お、クロウくん、ノエルちゃん。また朝から痴話喧嘩かい? お熱いねえ」
「あぅ。えっと、その、今日は昨日より涼しいですよ!」
「おはようシエナちゃん、今日もいい食いっぷりだね」
「むぐ、んぐ。おはようございます、八百屋さん!」
商店街の人たちは慣れたもの。休日の朝ということでそれなりに人混み溢れる中で、平常運行な挨拶を送ってくれる。
あと、ノエル。頑張って返すのはいいけど、そういうことではない。
「ご馳走さまでした」
「ご馳走さま! 美味しかったわ」
「はい、おそまつさまー! いっぱい食べてくれてありがとうございます! えーと、カゴひとつ全部だからお金は……」
指折り数えるニノを待たずに財布を取り出す。
「大丈夫。良く来るんだから、値段くらいは分かるって。ほい、オッチャン。ごちそうさん。それと、店先で食べさせてくれてありがとうございます」
「まいど! いいってことよ。ギルドに持って行ってたら冷めちまうだろ。お得意さんにはサービスしとかねえとな」
それに、と肉屋のオッチャンは続ける。
「赤の嬢ちゃんの食いっぷりなら、客引きにもなるしな」
アゴで示された先には、財布を確認しながら歩いてくるオレたちと同年代くらいの連中がいた。
ああ、そういうわけね。
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