【色無き器を満たすモノ】

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「生徒を変質者の道に引きずり落としてしまうとは、ワシの魅力も困ったもんじゃのう」 「いや、そういうわけでは全然ないです」  むしろ突然小学生くらいに縮んだ姿を見て、平然とスルーできるヤツの方がどっかおかしいに違いない。  悪魔だからって何でもアリすぎるだろ。 「史郎君、今の学園長は魔力体ですよ」  カインがメガネを光らせながら知的に解説してくれる。ありがたい。けど、残念ながら受け取る側が知識不足なんですよ。 「魔力体?」 「大量の魔力を集めて作った人型に感覚をリンクさせる魔法ですよ。すべての感覚をリンクさせれば、術者本人は動けなくなる代わりにほとんど生身と変わらない状態で動けます」 「要するに分身の術ってことや。一応理屈の上では形も自由やけど、普通は自分のイメージから抜け出せへんからな。見た目も本人のまま変わらんし」 「なるほど。いやでも、それがなんでロリ化?」  疑問の先は前方へ。返ってくるのは簡素な答え。 「この時期は忙しくての。さすがに魔力が足りん」 「あ、魔力が少ないと小さくなるんですか」
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