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「シエナさんはこことは折り合いが悪いんだよ。『赤の貴婦人』の持ち主ってことで熱心に勧誘されたらしいんだけど、結局断っちゃってるから」
「それ以来嫌がらせとかも受けとるみたいで、小競り合い起こしとったのをよう見かけたわ」
まあ赤のギルドとしては、その色最強の心器を持ってるヤツが余所にいたんじゃ格好がつかないか。
「かといって、ノエルさんに任せるわけにもいかないでしょ」
「それはそうだな」
人見知りのあいつに任せられるはずもない。消去法じゃ仕方ないか。
止めてた足を厳つい建物へと進ませる。理由に納得がいったとはいえ、気は進まない重い足取り。ただ、それを支えてくれる足音が三つ。
「ま、呼び出したくせに向こうからケンカ売ってきたら買ってええでと思うで。そのために付いて来たわけやし」
「そうですね。いざとなれば第132世界の実力を盛大に披露するとしましょうか」
「二人とも落ち着いてよ。今日は心器狩りと戦った報告に来ただけだからね」
「分かっとるって。もしもの話や」
「分かってますよ。ただ外部装甲の魔力充電は念のため満タンにしておきましょう。あくまで念のためですよ、念のため」
「本当に分かってるのかなぁ」
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