【緑の旅路・色無き目覚め】

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 何気ない感謝の言葉。けどそれが、それこそが、リゼが欲したものだったんだろう。  顔を赤くし、耐えるようにプルプルと震える。 「か、勘違いしないでもらいたいですわね。ワタクシはナメられたままなのが嫌だっただけで、アナタを助けに来たわけじゃありませんわ!」  あー、そこで意地を張っちゃうわけか。  真っ赤になりながらもそっぽ向く様は、何というかリゼらしかった。 「シロウくん。ケガを治しますから、こっちに来てくださいねぇ」  呼ばれるままに足を向ける。  ちょうどいいや。聞きたいこともあったし。  手招きするアリシアさんと、その横で腕を組むイロさん。二人へ向けて問いかける。 「ノエルはどうしたんですか? 扉の方から来たってことは、階段通りましたよね」  オレの疑問に顔を見合わせる二人。  イヤな予感がした。何かが欠けるイヤな予感が。 「いや、ここに来るまで誰も見かけなかったぞ。……キミたちと一緒にいたんじゃないのか?」
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