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雷纏う少女だった。白のサイドテールをなびかせながら雷速で移動し、触れる相手を消し飛ばす。
「ウルスさん、助けに来てくれたんですか!?」
思わぬ援軍に声が弾み、けれど疑問に疑問で返される。
「……どうして障壁を使わないの?」
「え、あの──」
「……他人と違うって見せつけられるみたいで嫌?」
動揺が顔に出た。
実のところ、ノエルも属性障壁は扱える。いや、正確には属性障壁しか扱えない。
元々青の属性を持つ魔力は常に冷気を帯び、感情の高ぶりで漏れ出すだけでも、周囲の人を凍えさせてしまう。
人とは違う異質な魔力。それをまざまざと見せつけられるようで、無意識のうちに可能な限り使わないで済ましていた。
けれど、それを他人に話した覚えはない。
ずっと一緒にいた姉でさえ、障壁を使わないのは気づかれていたとしても、理由までは知らないだろう。
シロウに至っては、自分が【魔力障壁(ウォード)】を唱えていないことにも気づいてないかもしれない。
「な、何でそのことを……」
「……分かる。だってわたしも同類だから」
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