【エピローグ代わりのプロローグ】

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「え?」  呆けたように漏らした声。それに被せて響いたのは、どこか聞き覚えのある詠唱だった。 「……白の偽典3章2節」  固まる。同類、その言葉の意味が理解できてしまう。 「【あまねく光(インフィニット・ホワイト)】」  光が弾けた。  雨のように降り注ぐ白の魔力が這いずるクモを蹴散らしていく。  光となって舞い散る魔力。輝く緑のただ中で、淡々とウルスは訊いてくる。 「……わたしたちには魔導書魔法が使えない。どうしてだと思う?」 「そ、そんなの決まってるじゃないですか! 魔力が元々色を持ってるせいです!」 「……半分正解。無の書はそれでいい。でも、同じ色の魔導書も使えないのはなんで?」 「それは……」  言葉に詰まる。  それは当然の疑問。そういうものだから仕方がないと自分に言い聞かせてきた疑惑。
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