第二章

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「ここ数日、 ずっと同じ場所に座ってるでしょ? し、か、も! 同じ格好、同じ姿勢!」 な、なんでそれを。 「毎日、お店行くたびに気になってたの。なんかあのベンチだけ暗いなぁって。」 し、失礼な。 暗いってなんだよ。 「だってさ、 ほかのホームレスのおじさんたちがまだ和気あいあいとして楽しそうじゃん! なに? 君、若いから仲間はずれされてるの!?」 なんなんだ、 この失礼極まりない言語の数は。 しかも初対面で悪気がないのが、 更に気になって仕方がない。 が…しかし。 ほかの誰もが、 俺のことをただの風景としか見ない中、彼女はそんな俺を毎日見ていて。しかもそんな事まで考えていたのには正直、驚きと妙な嬉しさを感じた。 なんだろ、 俺はまだ人間だったんだって実感出来たからなのか。
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