第二章

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しかし、 現実はどうだろう。 1日、2日…3日と。 美術館の施設内に備え付けられたベンチにただ座り込む日々が続いた。 凍えるような、 冬空の中、食欲など湧くはずもなく。ただ朝を迎えては身体を起こしベンチに座り。 日が落ちれば、ベンチに横たわり死んだように眠る。 そんな日々が続いていた。 「そうそう、 だから言ってんだろ!? 俺はお前だけだって。 あん? ほんとだって!」 ある日のこと。 いつものようにベンチに座り込んで時が過ぎるのをただ感じていると、高らかな笑い声に耳を澄ましていた。 「ったくよ! やってらんねーよ。」 見た目、 俺と同い年くらいか。 茶髪に長髪。 そして黒いスーツに身を包み、 周りも気にせずに携帯電話片手に会話をしていた。 …ホスト…だろうか。 ここ美術館は、 名古屋駅の近くにあり、 繁華街もすぐそばにある。 夜にもなればスーツ姿の若い男性やブランド物に包まれた煌びやかな女性たちが行き交う。 至っていつもの光景だ。
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