第二章

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「ねぇ、きみ名前は?」 …… 公園のベンチに座り込み、 無精髭を徐に触りながらただ差し出された手を見つめていた。 「ホームレスにしちゃ、 やけに若いよね? わたしと同じくらい?」 甘い香りが鼻を刺し、 俺は眉間に皺を寄せ視線を横に流す。そして流した先に写ったのは、みすぼらしい格好でブルーシートを畳む50くらいの男性。 それを見ながら軽く舌打ちをすれば、手を差し出す彼女の顔を見上げた。 その瞳は、 とても大きくて。 吸い込まれそうなくらい綺麗な茶色の瞳。 俺は思わず息を飲み込む。 あ…お、おれ… 3日3晩ろくに口にしていないせいか、唇がうまく動かせず、 吐息しか出せずにまた眉間に皺を寄せる。
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