第三章 #2

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「き、きさまぁ! 黙って聞いてりゃ!!」 黒田はテーブルに置いてあるショットビールの空き瓶を手に取り柱に叩きつける。 空き瓶は割れ鋭利な部分をちらつかせる。 「殺す!」 辺りに悲鳴が響き渡る。 かなは、 そんな様子に怯えながらも、 尚も黒田を止めようと制止している黒服を跳ね除け駆け寄る。 「黒田さん!辞めてください!」 「やかましい! 女は引っ込んどれ!!」 かなは黒田に無造作に投げ出され、床に倒れこむ。 ここまで来ると…… 本当のチンピラだな。 男は静かに拳を握りしめ、 唇を噛み締めた。 来いよ! 「きぃさぁまぁ!!」 黒田は、 正気を忘れ割れたビール瓶を持つ腕を振り上げながら男の元へ詰め寄った。
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