0人が本棚に入れています
本棚に追加
「だめー!!!!」
かなは意を決して、
ビール瓶を振りかざす黒田の背中に体当たりをする。
黒田は咄嗟の事に脚に力が入らず、
そのまま床へと倒れ込んだ。
「かな!きさま!」
その拍子に、
かなは男の腕を取った。
「はやく逃げて!」
あ?
ちょっ待てって!
「いいから!
このままじゃ君、殺されちゃう!!」
「に、逃がすかぁ!!」
黒田は即座に上体を起こすと、
手に持っていたビール瓶を男目掛けて投げ捨て、更に立ち上がれば男の腹部へと前蹴りを繰り出した。
く!
こいつ!!
黒田が繰り出した蹴りの軌道上にはかなの姿が丁度重なっていた。
男はとっさに駆け寄り、
かなの盾になるように前に飛び出せば黒田の蹴りをまともに顔面へ喰らってしまう。
っつう…
ってぇなぁ…
てめぇ…女も一緒に蹴る気だったのか。
「うるせー!
んな事ぁ知ったこっちゃねー!
ワシはきさまを殺さんと夜も寝れんわ!!」
この!!
黒田は、
そのまま立ち上がり、
腕を大きく振り上げ、男目掛けて拳を振り下ろした。
が、その瞬間。
男はその拳を器用に取り、
腕を掴んだままスッと背後に回る。
最初のコメントを投稿しよう!