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それは、冬の凄く寒い日の朝のホームルーム待ちの教室で囁かれた噂から始まった。
「隣のクラスの雪ノ神さんってあの雪女伝説に出てくる雪女の血筋なんだって。」
狭い教室で女子達がたむろしながらキャーキャー言い合う姿を尻目に、僕は降り続ける雪を見ながらため息を1つ零した
?「雪ノ神 妃芽(ゆきのかみ ひめ)、この白雪高等学校一の美少女にして白雪町一の名家の超お嬢様でプリンセス…興味ない?」
ずっしりと人の肩に乗りかかってミーハー手帳を開いて読み上げているのは、僕と同じクラスの
柴田 公平(しばた こうへい)、新聞部の部長であって、持ち前のベビーフェイスのルックスから女子に人気ある人の1人でもある
「興味ないね…」
僕が興味あるのはこの雪がどれくらい降り続けるかだけ
?「つれないこと言わないの、伊織。」
その思考を読み取ったかのように僕の目の前に顔を近づけてくる女子がいた
腰に流した艶やかで黒く長い髪、右目が琥珀色と左目が血のように紅い色をした瞳を持ち、色白の肌に紅潮した頬を膨らませている
この女子は、顔だけ言えば僕とほぼ瓜二つ…
違うのは長髪か短髪かだけの違い。
シバタ「何だ?実の姉さんには言うこと無しか?伊織くん。」
女子の名前は、烏丸 葵(からすま あおい)
僕の名前は、烏丸 伊織(からすま いおり)
葵と僕は双子で、葵は僕の姉だ
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