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兄弟だもの……と特に気にはしていなかったが
帰り際ノーチェックで店を出たことを不思議に思い訊ねると
乗り込んだエレベーターの中
グイっと腰を引かれた
「答えはコレかな」
ロビーに行くはずだったエレベーターの箱は25階で扉を開けた
引き摺られエレベーターを降りると
目の前に大きなガラス戸
小脇にある台の前に立つと
あの白い封筒を胸ポケットから取り出し
「ルームキーがこのフロアのセキュリティになってるんだ」
確かに、台の黒いパネルにキーをかざすと大きなガラス戸が開く
「こっちだよ」
エレベーターから直ぐの部屋の前で立ち止まり施錠を解除すると
彼は私を部屋の中に連れて入った
すごい……
何この部屋
呆然と立ちすくむ
ハイグレードのホテルは部屋もすごい…
窓から望む景色もまた素敵だった
ドラマで見る景色そのもの
うっとりと窓の外の夜景に心を奪われると背後に温もりを感じた
ピッタリと背中に貼り付く陽一さんの体温
彼は後から私を抱き締め右肩の上にコツンと顎を乗せ耳元で囁く
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