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その日の夜、予定通り、仁と美沙はパソコンと器具を持って、家に訪れた。
窓越しには月が浮かぶ空が見える。
蛍光灯の真下で俺達は、パソコンを開いた。
三角形の形になり、それぞれパソコンを起動させ、器具を装着していく。
「いいか?βl@ck★OUTは現実世界で始めた地点からゲームが開始される」
仁が俺と美沙を見渡しながら話す。
「なんかすごいワクワクしてきた!」
美沙はいつもよりテンションが高く、興奮しながら喋った。
今だけだよ。そんなの……。あの戦慄を味わったら、そんな余裕は無くなるはずだ。
「つまり、ゲーム開始後は今ここにいる場所と同じ光景になるはず。そうだよな? 和也」
「ああ。お前、もしかして説明書、全部読んだのか?」
「勿論。全て頭に叩き込んできた」
やっぱり仁は頼りになる。つくづく感心した。
「まずは移動して、そこから支給品の確認だ。それじゃあ始めよう」
俺と美沙は黙ったまま頷く。
三人でヘルメットを手に取り、頭に運んだ。
俺の視界は暗闇に覆われる。
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