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途端に、頭に吸い付くヘルメット!
「キャアアア!」
美沙の悲鳴が耳元に届いてきた。
頭を締め付けるように、ヘルメットは頭のラインに合わせ引き締まっていく!
この感じはいつまで経っても、慣れそうにない。
「はあはあ」
その不愉快な締まり具合から解放され、俺はゆっくり瞼を持ち上げた。
視界に突き刺さる、蛍光灯の灯り。
目の前にはしっかり仁と美沙がいた。
「大丈夫か?」
頭を抱えるように、うずくまっていた美沙が体を起こし、俺を見る。
「何なの!これ!最悪!あれ…………?ヘルメットとか私がつけたの全部消えてるよ……」
「これがβl@ck★OUTなんだ」
仁も顔を上げ、納得するように呟いた。
「どうやら、ゲームの世界にうまく入れたみたいだな。本当にパソコンやら何から何まで全て消えている」
仁は立ち上がり、周りを観察しながら、さらに語った。
「すげー。まるで、本物の世界そのものだ」
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