鬼退治

【それはこの赤子をみんなに、何て説明するかという事です

捨て子を拾ってきたと噂されれば、村人達は何を言い出すか、わかりません

またおばあさんは、そんな視線の中、この子が育つ事を可哀想に思います

おばあさんは、必死で頭を働かせ、あるアイデアを思いつきました

それは、川から流れてきた桃から生まれたという嘘でした

子供が産まれなかった事を、哀れんだ神様からの贈り物

おじいさんは、そのアイデアに不安を覚えます

しかし、一度言い出したらいくら言っても、絶対に聞かない おばあさん

名前は桃から生まれた桃太郎にしようと、一人で勝手にどんどん決めていきます

それが不幸の始まりでした

次の日からおばあさんは、桃太郎を連れて、桃から生まれた桃太郎の話を村中にします

しかし、村人達は誰も信じません

しまいには嘘つきと、批判され、隠しきれないと決意したおじいさんは、村人達に橋の下で拾ってきた事を話してしまいます

こうして 嘘つきと呼ばれたおばあさんと、おじいさんと、桃太郎は村から追い出されるように村外れに住む事になりました

それから何年も経過し、桃太郎はすくすくと育ちます

桃太郎は、動物に愛され、誰からも好かれる青年に成長しました

その一方で、村の一部では未だにおばあさんがついた 桃から生まれた桃太郎の嘘が酒の肴にされています

そんなある日、村に鬼がやってきました】