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車は、セミナーに行くために通ってきた国道を引き返す形で走る。
「それじゃあ、早速クエストに行こうと思うんだけど、時間も真夜中だし、みんな眠くない?」
優君は運転しながら、俺達を見回す。
振り返ると仁と美沙は、大丈夫だという意思を視線で俺に送ってきた。
「大丈夫だよ」
代表して、俺は優君に返答した。
正直に言えば、だいぶ疲れていた。
昨日の夜中にゲームを始め、紹介制度やら仁と美沙にゲームの話をしていた事によって、ほとんど寝ていない。
それに加え、セミナーだ。
慣れない経験をすると、普段よりずっと疲れる。
こんなありえない出来事を繰り返していれば……特に。
でも、優君がせっかく俺達をまだ経験していないクエストに連れて行ってくれるんだ。
遊びならともかく、こんな命の懸かったゲームなら、絶対にそんな機会を逃さない方が良い。
クエストって何だ?すぐに終わるのか?
「和也君。 本当に大丈夫?」
優君は俺の顔色を窺うように、覗き込んできた。
「大丈夫だよ」
そう答えると、急激に車のスピードが加速した。
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