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なんでお前ら、前を見れるんだよ！
頭の横に添えていた手を離し、俺はゆっくり顔を上げた。
仁は島の方を真っ直ぐ見つめ、美沙は空で起こった爆発の後を眺めている。
島から目を逸らさずに、仁は口を開いた。
「和也、しっかり前見ないと本当に死ぬぞ」
張り詰めた空気が、さらに張り詰める。
『ははは。お前は随分と臆病者だな』
心の中で響くような、謎の声。
まただ！またあの声が聞こえてきた。
頭の中で流れるメッセージとは違う。はっきりと俺に話しかけてきている。
『私を使うからには鬼ヶ島なんてところで、立ち止まるなよ』
「…………」
お前は、一体誰なんだ？
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