もう一人の主人公

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多額の金を払い、主にその筋から情報をなるべく仕入れた。 情報を仕入れれば、仕入れる程、そのゲームのやばさがわかっていく。 時には分厚い説明書も提供してもらった。 人が死んで、金を稼げるゲーム。多くの者は、その目的でブラックアウトをプレイしている。 愚かと言えば良いのか。 バカと言えば良いのか。 金を稼ぐために、ゲームは存在するわけじゃない。 例えば、簡単な事から考えれば、すぐにわかる。 利益も得も何もなしに、そんな多額の金をバラまくか? 金をバラまく時は必ず何かしらの理由が存在する。 募金でさえ、あの箱の向こうには少しでも難民の子のために役立てばと理由があるし。 ただ単にバラまくだけでも、それは自分の心を満たす理由がある。 ゲームは何かしらの目的があって作られた。理論的に考えて、それだけは間違いない。 ゲームを始めたプレイヤーは必ずメインストーリーの事を忘れ、金の事ばかりを考える。ゲームを管理しているヤクザでさえも。 全員が飲まれていく。 それよりもクリアした時に何があるのか、気にならねえのか? 俺は金よりそっちの方が気になる。
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