もう一人の主人公

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この世で必要なのは、金と力だ。 その二つ、もしくはどちかが長けていれば、世の中でトップクラスに入る事ができる。 力と言っても、様々な種類がある。 例えば、圧倒的な運動神経。強制的に効果を働かせる権力。人を魅了する話術。狂わす程の容姿。 初めから備えているものを、人は才能と呼ぶ。 才能は努力なしに持てる特殊な存在だ。 俺はそのほとんどを初めから兼ね備えていた。 自意識過剰だと思うかもしれないが、それが事実。 それに気づいたのは、小学生の半ばだった。 俺は他の奴らと明らかに違った。 何故なら、勉学、運動、そして容姿は未だかつて誰にも負けた事がない。 今まで歩んできた人生がその証だ。 それを理解していたからこそ、自分の力を存分に発揮してきたんだ。 別に楽ばかりをしていたわけではない。 俺に嫉妬した奴らは数え切れない程いた。 時には邪魔をする そんな奴らを潰した事もある。 だけど……。
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