もう一人の主人公

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「いや~!いつ見ても、ヒカルさんはカッコいいっすね!」 営業中、僅かな空いた時間を使って、俺は裏の部屋で煙草を吸っていた。 そんな時に、話しかけてきたのがこいつだった。 ところでお前、誰だっけ? 「本当に尊敬します!街を歩けば、その容姿に誰もが振り返り、話せば知識豊富で巧みな話術!今では来る客全て何かしらの有名人!予約満杯!満杯!YAHOO! 何から何まで憧れます!」 死ね。 俺は無視し、煙草の灰を灰皿に落とそうと手を伸ばした。 「次、来る客は芸能人の桃香ですよね!?羨ましい! あ。ヘルプ入りますね」 うるせえな。こいつ。 「そうそう!ヒカルさん! ブラックアウトって知ってます?」 その言葉は煙草を持った手をピタリと止めた。 自然に落ちた灰は、灰皿の中へ飲まれていく。 ブラックアウト?
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