もう一人の主人公

6/35
3563人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
完全にイッちゃってるだろ。その友達。 『へえ。お前もシンデレラに会いに行くのか?』 こういう時は、話を合わせるのが一番だ。 ジョークを言ってるか言ってないかは、瞳を見れば だいたいわかる。 どんなふざけた内容でも、真剣に話してるならそれに合わせるのが最善の選択だ。 『アタシは……わからないな。そのゲームをやらなきゃいけないみたいでさ。 友達はやっとメインストーリーを見つけたってテンション高めに言ってたんだけど、本当に何の事やら……』 女は大きく溜め息をつく。 意外だな。本当に薬なのか?表情と瞳は正常だ。違和感がない。もし、ヤバい事なら何かしら違和感を覚えるはず……。 『あんまり父親に心配かけるなよ』 お前は今急成長中のIT会社の社長の娘なんだから。 いなくなったら、俺も損をする事になるからな。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!