もう一人の主人公

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やがて、周りにいる金に困った奴らが次々に姿を眩ますようになった。 だいぶ後でわかった事だが、これらは全てブラックアウトを利用されて殺された奴らだった。 奴が言っていたシノギとは、ブラックアウトの紹介制度を利用して金を稼ぐ事だったんだ。 歌舞羅町に頻繁に出入りしてる奴らや、闇金で多額の借金を背負った奴らは、何かあっても足がつかないパターンが多い。 新規プレイヤーを狩らせる。もしくは自分自身を新規プレイヤーとして差し出す。 詳しく言えば、紹介制度で匿名紹介をして狩らせる。また、使える奴はそのままプレイヤーとして動かす。 ブラックアウトを利用すれば、金を稼げる方法はいくらでもあった。 密室に閉じ込め、ゲームをプレイさせるだけで金になるからな。 歌舞羅町のトップクラスにいれば、珍しい情報は必ず耳に入ってくる。 むしろ、その中でブラックアウトの事を知ったのは俺が遅い方かもしれない。 情報が回ってくるのが遅かったのは、限りなくその中で遠いポジションにいたからだ。 ヤクザがブラックアウトを利用し、プレイヤーを作り上げる。 ゲームを経験したプレイヤーとは客などで多く接触していたにも関わらず、俺の耳に入って来なかったのは、ゲームを始めた時点で家に帰れなくなるからだ。 一番初めに話してくれた女は、まだブラックアウトが始まって間もない頃だったからに違いない。だから死体は自宅に放置された。 ある時に、俺はブラックアウトを手に入れようと決意する。
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