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引き抜いた瞬間、眩い閃光が解き放たれる。
同時に鞘からは白と黒の煙が噴射された。
瞬く間に辺りに広がっていく、白と黒が織り交ぜられた煙。
それは村一帯を覆い尽くす程、広がっていった。
「何ですか!?これ!」
雑魚2号が周りを見渡しながら、煙が足に当たらないように無意味に飛び跳ねている。
見上げると、迫り来る金棒の動きが、ピタリと止まっていた。
その金棒の向こうからは、痛みを感じる声が轟く。
《神刀……そうか……》
今まで張り詰めていた空気が微かに和らぐ。鬼の殺気が弱まった。
《今は何も語らないのが筋だな……》
自然と使い方がわかる……。体は勝手に動いた。
刀身は空に向けられる。
『ケケケケケ!』
どこからか聞こえてくる悪魔のような笑い声。
何だ?
俺の体は熱を帯び始めた。
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