2128人が本棚に入れています
本棚に追加
老人は目を細め、俺の瞳を真っ直ぐ見つめてくる。
「ん?桃太郎か。最近、歳のせいで、目が良く見えんのじゃ。わしに何の用なんじゃ?」
老人はそう言うと、目を擦りながら俺の返事を待った。
今、言ったばかりなのに……。
「この村を荒らす者を倒しに来ました」
おそらく、こいつが村長だろう。いや、村で一番の金持ちの可能性もある。
すると、老人は意外な返答をした。
「はて?何の事じゃ?村を荒らす者?」
老人は俺が言った言葉に対して、不思議そうな表情を浮かべる。
こいつは知らないのか?
いや……。おかしい。
桃太郎の設定では、鬼が村を襲ってるはず。その鬼を倒しに行くのが、通常のルートなんだ。
何でこんな矛盾が……。
最初のコメントを投稿しよう!