月下の誓い

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老人は目を細め、俺の瞳を真っ直ぐ見つめてくる。 「ん?桃太郎か。最近、歳のせいで、目が良く見えんのじゃ。わしに何の用なんじゃ?」 老人はそう言うと、目を擦りながら俺の返事を待った。 今、言ったばかりなのに……。 「この村を荒らす者を倒しに来ました」 おそらく、こいつが村長だろう。いや、村で一番の金持ちの可能性もある。 すると、老人は意外な返答をした。 「はて?何の事じゃ?村を荒らす者?」 老人は俺が言った言葉に対して、不思議そうな表情を浮かべる。 こいつは知らないのか? いや……。おかしい。 桃太郎の設定では、鬼が村を襲ってるはず。その鬼を倒しに行くのが、通常のルートなんだ。 何でこんな矛盾が……。
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