月下の誓い

いや……クエストが切り替わったんだ。

繋がっていなくてもおかしくはない。

メッセージでは裏クエストに突入したが、あのジジイとババアの家を後にした、その直後に本格的にクエストが切り替わった可能性だってある。

「それより、桃太郎。今宵は神の日で宴をやる予定だ。お前も参加しなさい」

“神の日”？　確かこの言葉はブログに載っていた。

書いた者が精神状態が安定してなかったのか、詳しくは書いていなかったが……。

「神の日って何ですか？」

雑魚３号が俺の後ろから覗き込むように言う。

老人は雑魚３号に視線を向け、白髭を親指で触りながら答えた。

「この世を作って頂いた神に感謝の意を示し、お供え物を捧げ神を呼ぶ。その後、それを祝福して宴をやるのじゃ。最も神なんぞ現れた事はないがな」

なるほど。神か……。

予想して考えられるのは、一つ。

このゲームの創造主だ。

俺は思わず笑みが溢れた。