謎の同級生

18/32
前へ
/32ページ
次へ
「はるか!走れ!」 一気に近寄り、俺ははるかの手を引っ張って、囲んでいた三人の小さな円の中から引きずり出した! はるかは俺の背後に行き、駆けていく! 「か……ずや君」 何年ぶりに聞くであろう、小さく小さく呟いた、はるかの声。 「美沙!頼む!」 視線を美沙に向けると、首を縦に動かす。 仁はいつの間にか、乗りやすく出発しやすい位置に車を移動させていた。 既に、後列に乗るためのドアは開けられた状態。 あとは俺も逃げるだけだ! 同時に耳元では、怒声が轟かされる! 「おい!あいつは!」 「やべえ!逃がしたら、ユキヤさんに殺されるぞ!」 動きが一瞬で止まる。 俺のこめかみに何かが押し当てられる。 眼球をその方向へ動かすと、拳銃らしきものがうっすら視界に入ってきた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1840人が本棚に入れています
本棚に追加