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「はるか!走れ!」
一気に近寄り、俺ははるかの手を引っ張って、囲んでいた三人の小さな円の中から引きずり出した!
はるかは俺の背後に行き、駆けていく!
「か……ずや君」
何年ぶりに聞くであろう、小さく小さく呟いた、はるかの声。
「美沙!頼む!」
視線を美沙に向けると、首を縦に動かす。
仁はいつの間にか、乗りやすく出発しやすい位置に車を移動させていた。
既に、後列に乗るためのドアは開けられた状態。
あとは俺も逃げるだけだ!
同時に耳元では、怒声が轟かされる!
「おい!あいつは!」
「やべえ!逃がしたら、ユキヤさんに殺されるぞ!」
動きが一瞬で止まる。
俺のこめかみに何かが押し当てられる。
眼球をその方向へ動かすと、拳銃らしきものがうっすら視界に入ってきた。
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