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踵に力を入れ、思いっきり地面を蹴り、走り出した!
「おい!」
『君から銃口までの距離はおよそ84.6cm。この距離なら、十分に防げる』
パンっ!
乾いた音が轟かされる。耳を裂くような銃声。俺は音にビクつき、瞼を瞑った!
それでも車に向かって、走り続ける!
弾は当たってない……!
そっと瞼を開くと、煙は傘の形となり、俺の体の周りを凄まじいスピードで纏わりついていた。
『車までの距離はおよそ7m。敵までの距離はおよそ3m。拳銃の弾如きで殺されるわけないじゃないか』
視界に映るのは、車のみ。
仁は俺が逃げ出した事に成功した状況を察して、乗り込みやすいように助手席のドアを開け、自身は運転席に戻った。
あと少しで車だ!
乾いた音は連続で鳴り響く!
「逃がしたら、ユキヤさんに殺される!捕まえろ!」
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