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「え……でも……」
はるかは美沙の言葉にさらに困惑する。
「だって、せっかく会えたのにこれでさよならってのは悲しいでしょ?
なら私達と一緒に居ればいいじゃない。
こんな世界なんだし。
ね!? 仁。良いでしょ!?」
仁はハンドルを操作し視線を逸らす事なく、前方のフロントガラスに真っ直ぐ向けている。
考えているな。はるかが一緒に居た時のリスク。メリットやデメリット。
正直、謎が多すぎる。
ただ考える事など、無意味なのは仁が一番良く知っている。
美沙は一度言い出せば、絶対に曲げない。
つまりここで「駄目」と言ったところで全く意味がない。
最悪どこかにグレて行ってしまう可能性もある。
「ああ。いいよ」
悩んだ挙げ句、仁は美沙にそう言った。
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