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ドアが重たい音を奏で、左右に開かれる。
はるかは、慣れたように自動ドアを抜けて中へ入っていく。
美沙はぴったりとはるかの後ろにくっつき、俺と仁はその後に続いた。
中に入ると、急激に明るくなり、突き刺すような眩しい光が視界を覆う。
俺は思わず手を顔の前に翳し、光を遮った。
目に手首で影を作らせ、光をカットしながらも、何があるのか確かめていく。
打ちっぱなしのコンクリートが広がった壁。床は石のタイルかなんかで硬い。
部屋の形からして、立方体だろう。
高い天井には無数の電灯が取り付けられ、一歩進めば床のタイルを踏む音が響き渡る。
奥の壁際には受け付けらしき物が設置されていた。
カウンターには、女性が一人座っている。
「え~っと。みんな、ここへ来たのは初めてだよね?」
受け付けを目指して歩きながらはるかは後ろを振り返り、俺達に質問してきた。
「それなら、まずは口座の登録からだね」
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