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受け付けに辿り着くと、はるかはカウンターの中に座る女性に話しかけた。
「すみません。この三人の口座登録をしたいんですけど……」
「はい。かしこまりました」
受付の女は、和風を感じさせる上品な身嗜みと仕草。程よく塗られた化粧がさらに上品さを生み出している。
だが、どことなく違和感がある。
あまりにも完璧すぎる外見。整った顔立ちは、まるでイラストでも見ているような錯覚に陥る。
よく思い出せばBARでセミナーを説明してくれた女と、どことなく似ている。
もしかして、コンピューターキャラってやつかな?
女性は引き出しから紙を何枚か取り出すと、ボールペンと一緒にカウンターの上に並べた。
「ここにそれぞれ、現実の世界で使用されている口座をお書き下さい」
はるかは一歩後ろへ下がり、逆に俺達はカウンターの前。正確には紙の前に横一列で並んだ。
紙には名前、住所、年齢、銀行名や口座番号などを記入する欄がある。
俺はボールペンを持ち、それらを順番に書き込んだ。
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