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銀行の口座を暗記しておいて良かった。カードが入ってる財布は、ゲーム中、家に置きっぱなしだからな。
忘れていたら、もう一度家に取りに帰る事になっていたおそれがある。
ゲームの世界でもお金が必要な時が来るのだろうか?
もしそうなら、今度から財布を持っていた方がいいな。
仁と美沙も書き込みが終わり、順番に用紙を受付の女に提出した。
「はい。ありがとうございます。登録は30分程で終了します。
その後はβl@ck★OUT内の残高及び現実世界での銀行口座の残高はDIMにてご確認下さい。二つとも共通になっていますので、引き出しの際は共にマイナスとなるのでご注意下さい。
なお、渋谷和也様は紹介制度にて優良プレイヤーと認定されましたので、口座に10万円が振り込まれます。
そちらの方も後ほど、ご確認下さい」
長々と喋り、ニッコリと微笑む女性。
喋り終わると、笑顔を浮かべたまま動かなくなる。
「これで終わりか?」
仁がはるかに視線を向け、問いかける。
「う、うん。他には用事はないんだよね?」
頷くとはるかは、出口に向かって歩き出した。
これで終わりなのか……。
巨大な施設なわりにはやる事が少ないな。
ここには他に何があるのだろう。
そんな疑問を思い浮かべながら、俺は来た道を戻った。
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