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優君はハンドルから両手を離し、一呼吸おいてから口を開く。
「ふー。まず向こうに着いたら、僕達のチームでNo.2の副長に会ってもらってもいいかな?
屯所内にお客さんを招待する時の決まり事なんだ。
ちょうど今 屯所にいるしね。留守の時は入れちゃいけない事になってるから運が良かったよ」
段々と近付いてくる新撰組屯所。お城は夜の世界でも形から高さまで、はっきりと見えた。
何枚も重なる瓦の屋根。風格のある ガッシリした作りのお城は何層にも積み重なり、頂上は少し霞んで見える。
一体、何階まであるんだ?
優君はDIMを取り出し、誰かに電話をかけた。
「今 正面から入ったのは僕とお客さんだから警報、解除しといて。
うん。そう。
予定通り四人。
うん。わかった」
優君は手短に電話を切り、口を開いた。
「じゃあ、屯所内に入るね」
「――!」
お城まで一直線に行くのかと思いきや、予想外の展開が視野に映る。
先の道が突然盛り上がり 穴のようになって、暗闇へ続く一つのトンネルが形成された!
車はそのトンネルへ突っ込んでいく!
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