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間違いない。あの黒いのがクエストボスだ。
黒い物体の背丈は俺と同じくらいで柱のようにそびえ立つ。
「はるかはここにいろ……」
背中の先にいる はるかにそう言い残して、俺は少しずつ黒い物体を目指した。
置かれているように存在する黒い物体。動く気配はない。
あえて部屋の中央にいるのがゲームらしいところだ。
抜刀のタイミングだけで命懸けだな。ミスすれば、刀を抜く前に死に至る。
呼吸が自然と乱れていく。前に進むほど、息が苦しい。
「はぁはあはぁあああはあ」
緊張感が高まってきたせいだ。駄目だ!駄目だ!
落ち着け。
「はぁはあ」
まだ黒い物体は動く気配が見られない。
『駄目だ。一旦、離れろ。私には敵が待ち構えているような気がする』
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