古手川仁

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銃を乱射するような発砲音が鳴り響き、行き交っていた人達が次々に血を撒き散らして倒れていく。 叫び。悲鳴。泣き声。全てがリアルで、ただただ懐かしさから俺を非現実的な世界へ導いていく。 婆ちゃんは人混みに飲まれ、見えなくなってしまった。 最後に見た背中。 手を伸ばして捕まえる事も出来なくて。 動く事も出来なくて。 一気に人混みは溢れかえって、渋滞のように道幅を埋め尽くす。 婆ちゃんを追ったら、どうなるのだろう? 飛び交う怒声。突然、戦争の真っ只中に放り込まれた気分だ。 ━━━━━━━━━━━━━━ 殺人犯が逃亡を始めました ━━━━━━━━━━━━━━
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