古手川仁

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津波のように人混みがどっと押し寄せ、悲鳴が聞こえてきた方向に居た人達はその場から必死に走り出す! それはゲームでいう必然的な流れであった事に、すぐに気がついた。 そういえばテレビゲームでも、こういうので躓いてた事があるな。 ある程度、時間が経過すれば話が進むけど、何かしなきゃいけないと思って、必死にコントローラーいじったり。 今まで動けない程、人が混雑していたのは演出か……。 海が割れるように、人混みが避け、直線の道が開かれていく。 不自然なようだが、偶然できた道のように演出されていく。 そして、開かれた道。 一直線に立つのは、あの時、僅かに見たマシンガンを両手に持った男。 大衆は男を見守った。 俺は男を見て、凍りつく。 これも演出? 「動くなあ!」 張り詰めた空気の中、男が叫ぶ! 婆ちゃんが男の人質となっていた。
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