1383人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
時間がない!
残り13分。アイツを倒せばクリアなんだ!
再び空に打ち上げられる銃弾。
人間とは不思議なものだ。
初めて接した緊迫感。出来事。
マシンガンや初めて銃弾を放つ現場を見ているのに、そんな事に集中せず俺は婆ちゃんのことだけを考えている。
婆ちゃん。婆ちゃん。
殺人犯は首に巻く力を強めた。婆ちゃんの体が仰け反り、少し体が持ち上がる。
「何で……」
「何でこんな状況に……」
【残り時間 11:11】
どうすればクリア出来る……?
限界の力で握り締めた鎌の柄。
鎌に視線を移すと、太陽の光を反射させた刃が鋭さを覗かせる。
『仁 あんたは頭の良い子だし優しいよ』
『いつかきっと笑いあえる友達が出来る』
『その時は手を差し伸べて助けるのよ』
『婆ちゃん もうすぐいなくなるけど 泣くんじゃないぞ』
『婆ちゃん……仁が大好きだったから』
『お父さん、お母さんになってあげられなくてごめんなさい』
婆ちゃんは俺の母親変わりだった。
『生きていれば いつかきっと明るい未来はやってくる!』
婆ちゃん。ごめん。
鎌の刃は誘っていた。
俺、婆ちゃんごと切るよ
最初のコメントを投稿しよう!