1383人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
視線を逸らす事の出来ない光景が目に入ってきた。
振り下ろした鎌。そして、鎌の柄を握る右手。
違和感の原因はすぐにそれでわかった……。
指の先から右腕の肘までの部分が“白骨化”していた。
この鎌は命を吸い取る。
否
この鎌は魂を徐々に食い尽くし、俺を化け物の道へ導く。
ああ。そうか。だから、死神って命を奪う生き物として、生まれたんだ。
だから死神の鎌なんだ。
【残り時間 09:55】
切り裂かれた男と婆ちゃん。もう身動き一つしない。
ピクリとも動く気配はなかった。生々しい。
初めて殺人を犯したような感覚。
ああ。これじゃあ俺が殺人犯みたいだ。
わかっている……。
狂いそうだ。
薄々気がついていた。
唖然と見守る大衆の人々。
その中から殺人犯の仲間が数人飛び出してきた。
最初のコメントを投稿しよう!