1383人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
何故、仲間がいた事をわかったのか……?
答えは簡単だ。
“殲滅”
対象相手が一人の場合でも、言葉の使い方は決して間違ってはいない。
ただ違和感があった。
そこからおそらく敵は複数人いるんじゃないかというのは、容易に想像がついたんだ。
前の奴はここでゲームオーバーになったんじゃないだろうか?
感じる。どんどん覚醒していくのが。
気配を通して。
風を通して。
肌を通して。
細胞を通して。
三人の敵が迫ってきているのを感じとれた。
鎌に灯された禍々しい青白い歪んだ光。
白骨化した肘までは、自分の体じゃないように力が満ち溢れてくる。
囲むように迫り来る敵に、俺は体を一回転させ、大きく鎌を一振りした!
直後、迫り来る三人の胴体は横に真っ二つに割れ、綺麗な血の噴水が出来上がり、真紅の液体は空を目指した。
まるで椿の花をハサミで切り落としたように。
それでも、俺は動揺しなかった。
最初のコメントを投稿しよう!