古手川仁

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それは俺にしては極めて珍しい、第六感的なものだった。 根拠がない。理論がない。科学的ではない。 以上の事から、勘としか言いようがないわけだ。 ブラックアウトが既に現代の科学の域を遥かに超えているけどな。 目で見た情報や出来事以外は、一切信じられない。情報に至っても、信用性が確かめられてからじゃないと本当のデータにならない。 これが俺の性格だ。同時に弱点でもある。 その俺が何となくの根拠なき勘に飲まれそうになっていた。 別に語りかけられたわけでもないし、情報を見つけたわけでもない。 使った時に確信を得たんだ。 この鎌は命を蝕む事に……。 振り抜く寸前、体から何かが抜けたような気がした。同時に鎌には不思議な力を感じて、気付けば鬼を切り裂いていた。 俺はそれ以来、鎌を使用していない。 確かめなければ……。
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