1383人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
それは俺にしては極めて珍しい、第六感的なものだった。
根拠がない。理論がない。科学的ではない。
以上の事から、勘としか言いようがないわけだ。
ブラックアウトが既に現代の科学の域を遥かに超えているけどな。
目で見た情報や出来事以外は、一切信じられない。情報に至っても、信用性が確かめられてからじゃないと本当のデータにならない。
これが俺の性格だ。同時に弱点でもある。
その俺が何となくの根拠なき勘に飲まれそうになっていた。
別に語りかけられたわけでもないし、情報を見つけたわけでもない。
使った時に確信を得たんだ。
この鎌は命を蝕む事に……。
振り抜く寸前、体から何かが抜けたような気がした。同時に鎌には不思議な力を感じて、気付けば鬼を切り裂いていた。
俺はそれ以来、鎌を使用していない。
確かめなければ……。
最初のコメントを投稿しよう!