1281人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
光刀の淡々とした言い方が胸に突き刺さる。
殺す? およそ現実の世界とは恐ろしくかけ離れた言葉。
ここはゲームの世界。でも、殺せば現実に反映されて、本当に死ぬんだ。
βl@ck★OUTの世界でゲームオーバーになれば、死を示す。
『それは君も同じだ』
そうだ。俺も同じだ。
ここで殺しても、法律的には何の問題にもならないし、捕まる事すらない。
呆然と立ち尽くす中、敵は車を迂回して、こっち側へやってきた。
向かい合う敵。
視線は刀を持った俺に真っ直ぐ向けられている。
武器を持っていないかと思われた敵は、ポンチョを脱ぎ捨てると腰から小さな金鎚を取り出した。
小さいけど、殴られたら痛そうだ……。
「俺が行くよ……」
初めて自分の意志で足が前に出た。
最初のコメントを投稿しよう!