かぐや姫

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土で汚れたボロボロ姿の男。膝につく手の甲にも土は沢山付着していた。 何故か自然と、美沙に視線が集まる。 「いいよ!一緒に行こっか!」 美沙は笑顔で即答した。 少しは考えろよ。こんな訳のわからない奴に関わると後々、厄介なのは目に見えているじゃないか。 「良いでしょ?仁」 何かをねだるように美沙は仁に言う。 「うーん」 仁は少し考えてから口を開いた。 「あんたも枝を探しに行くのか?」 「ああ」 「かぐや姫と結婚するために?」 「……」 男は口を閉ざしてしまう。 「何か理由があるのー?」 今度は美沙が男にかけた。
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