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与作が言うあいつってのは、俺にはまだ理解出来なかった。
「村の人間で……竹ジイってのがいたんだけど。ある日突然、竹の中に居たって、興奮しながら小さな女の子を連れてきたんだ。嘘のような話で。
幼き綺麗な女の子の噂はすぐに村中に広まった。
その時、村にいる子供は俺だけだったから、その子と仲良くなるのに時間はかからなかった。
不思議な子で……。」
「その女の子がかぐや姫なのー?」
美沙が訊くと与作は首を縦に動かした。
「俺とかぐやはさ、毎日親の手伝いが終わると、この山へは来て、日が暮れるまで遊んでいたんだ。でも、その幸せな日常は長くは続かなかったんだ」
次に、与作の背中からは悲しみが伝わってきた。
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